top of page

【肛門管の話を続けましょう】

  • 株式会社 SALES AGENCY
  • 2023年11月30日
  • 読了時間: 3分

肛門管の話を続けましょう。この辺の話になると、医者の何%ぐらいが知っているのかなぁ、と思ってしまうぐらい、知らない医者にとっては「マニアックだ」といわれかねない知識ですね。肛門科を掲げている医者でも、どのくらいの医者が、どのくらいに、認識しているのかなぁ。


肛門管は肛門の狭くなっている管の部分です。内圧を測定すれば、当然高くなっているので、肛門生理学的には昇圧帯とも言うこともあります。(ここまでは、当たり前の話で、医学を勉強していなくても、考えてみれば、常識で想像がつく世界ですよね。)


肛門管の圧を連続的に測定していると、圧は、高くなったり、低くなったり、の、サインカーブを描くのですね。つまり、肛門管は、自律的に収縮をしているということなのですね。これは、無意識に、です。お尻に意識を集中しても、気づきません。


でも、これも想像すれば、そんなものかなと、理解できますね。というのは、肛門管の内括約筋は、大腸の固有筋層とつながっていて、腸の自律運動から、なんとなく想像できるではありませんか。


肛門管の圧を測定していると、特に血圧の高い人は、肛門の中で、痔動脈の拍動を、つまり、痔の血圧をモニターできるのですね。痔のケツアツ、なんて、親父ギャグみたいになってしまいますが、親父ギャグって悲しいですね。しかし、肛門管の律動波形は、動脈の拍動とはまったく別で、肛門管自体の収縮なのです。いまは、その話をしているのですよ。


世界には、いろいろと不思議な方がいるもので、肛門管の律動波形を肛門管の奥と手前で測定し、その周波数に、ずれがあることを発見している医者がいるのですね。肛門管の律動波形の周波数は、肛門管の奥のほうが手前よりも周波数が高いのです。


そのような事実がわかったら、次におこなうのは、その生物学的な意味づけですね。その意味付けは、こんな風に考えられました。


直腸にたまったものを肛門管が開いたり収縮したりすることで、肛門管の上部の粘膜に触れさせ、肛門管の上部の粘膜という最も知覚に関係する部位で、直腸にたまったものが何であるかをしらせるのだ。というのです。このために、肛門管の律動波形は重要であるし、周波数の異なりも役に立つというのですね。本当かなぁと思う一方で、確かに、合理的な説明だなぁという気もしますね。これをサンプリング現象といいます。


また、このサンプリング現象は、直腸にものがたまると、少し、肛門が緩んで、また、元に戻るという、直腸肛門抑制反射も役に立っているのだと説明付けられています。こ直腸肛門抑制反射は、小児外科で扱うことの多い先天性の病気、ヒルシュスプルング病、の診断で発達した検査ですが、しかし、それはまた、けして子供だけの病気ではないのですが、また、別の機会に、お話します。 【the web 大腸・肛門・骨盤底疾患スペシャル】


 
 
 

最新記事

すべて表示
【病気が顔を変える】

病気がその顔や姿を変える。そんなことがあるのですね。 犯罪が、歴史や社会とともに、その様相を変える。ということは、よく知られていますね。 昔の日本では、せいぜい空き巣だったのが、今では、強盗になる、というように。 これは、風俗の問題ですから、比較的当然という気がします。...

 
 
 
【最善を尽くしましょうと請け負っていた外科医が】

このごろでは、手術の合併症などに社会の目が厳しくなっているという社会情勢がありますので、たとえ1000分の1の危険率でも、それを強調して医師側はお話しすることがあります。また、少しうるさそうな患者さんには、外科医が手術する意欲をなくしているというここ数年の事情があります。...

 
 
 

Comments


bottom of page